接待を伴う飲食店における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル
ビルオーナー編
換気の徹底
3つの条件(密閉・密集・密接)の1つである 「換気の悪い密閉空間」をつくらないために、各店舗の協力も得ながら、出来る限りの換気を行いましょう。厚生労働省からは、ビル管理法の考え方に基づく必要換気量が確保されている場合は、「換気の悪い密閉空間」に該当しないとの見解が示されていますので、参考としてください。
1 ビル管理法の考え方に基づく必要換気量(一人あたり毎時30m3)が 確保されているかを確認する。
- ビルオーナーは、ビル管理法(建築物における衛生的環境の確保に関する法律)の考え方に基づく必要換気量(一人あたり毎時30m3)が確保されているか確認しましょう。
- 必要換気量が確保されていない場合、換気設備の清掃、整備などの維持管理を適切に行いましょう。
- 場合によっては、専門事業者に依頼して、ビルの換気設備の性能を確認するなどの対応も必要です。
- 窓のない店舗や地下に店舗が入っている場合、常に空調を最大限で稼働させるなど、可能な対応について検討しましょう。
換気が必要換気量を満たしているかを確認する方法として、二酸化炭素測定器(CO2センサー)を使用して、室内の二酸化炭素濃度を測定し、基準値1000ppm(推奨値800 ppm)※1・2を超えていないかを確認することも有効です。
※1)国(厚生労働省)が定める建築物環境衛生管理基準において、空気環境の基準では1000ppm以下とされており、札幌市としては、二酸化炭素濃度の基準値を1000ppm以下、推奨値を800ppm以下と設定いたしました。感染症対策としては、二酸化炭素濃度が800ppmを超えた場合は、早めに換気を行い、1000ppm以下を維持するように管理してください。
※2)欧州空調協会連合会(REHVA)の文献を参考。
2 ビル全体で適切な換気方法について検討して定める。
複数の店舗が入ったビルの場合、フロア単位の空気の流れやビル単位の換気量を考えて、換気方法を定める必要があります。各店舗の協力も得ながら適切な換気方法を検討し、ビル全体でどのように換気を行うか定めましょう。
3 各店舗と協力し、 定期的な換気(1時間に2回以上が目安)を実施する。
各店舗と協力し、窓や非常口の扉などを開放するなどして、定期的に換気を行いましょう。空気の流れをつくるため、フロアに複数の窓がある場合は2方向の窓を開放し、窓が一つしかない場合などはドアを開けましょう。窓の開放により換気を行う場合は、1時間に2回以上の換気回数※が目安です。具体的には、30分に1回以上、数分程度、窓を全開にし、室内の空気がすべて入れ替わるまで換気しましょう。
※換気回数:部屋の空気がすべて外気と入れ替わる回数
【具体的な対応例】
ビルのオーナーが時間を定め、店舗と協力し、一斉に店舗
の窓、入口及びフロアの非常口の扉を開け、換気を行う。